蓬莱(今野 敏)読みました | 凄井攻より花束を

ゴッド企画
2011/09/24 22:33

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そのゲームには「日本」が封印されている!?人気沸騰のゲームソフト「蓬莱」を開発したソフトハウスは、パソコン版に続きスーパーファミコン版を計画した。しかし、恫喝し、力尽くでその発売を執拗に妨害する巨大な力が…。バーチャル・ゲームと伝奇世界がリアルに交錯する傑作エンタテインメント巨編。

事件はスーファミソフト制作現場で起こっている!

今野 敏・著の「蓬莱」という小説を読んでみました。

ゲーム制作会社を舞台にしたミステリー小説です。94年の作品ということで、劇中のソフトハウスの制作しているのはスーパーファミコン用ソフトです。懐かしい。

舞台となるソフトハウスは従業員数5人というこじんまりしたもので、現代が舞台ならソーシャルゲームやiPhoneアプリの制作会社とかもそんな規模からありますね。

しかし、冒頭でこのうちのひとりが殺されてしまいます。

その後は、暴力団を使い暗躍する大物政治家、ベテラン刑事のドラマ、喧嘩の達人という謎多きバーのマスター、日本人のルーツを探るというコンピュータシュミレーションプロジェクト、始皇帝の圧制を逃れ日本に渡った徐福の伝説(ちなみに蓬莱はその徐福の捜し求めた不老不死の霊薬のある土地の名前です)、そしてなによりもスーパーファミコン時代のゲーム制作現場、と様々な要素がてんこ盛りのテラサービスっぷりです。

著者は神様の神様

ちなみに格闘シーンには妙な迫力がありますが、今野敏先生は武道・武術ものの著作も多数あり、また空手道場の道場主さまでもあります。

さらにあの世界の押井守監督もその道場に入門している、ということで、僕的には、神様の神様のような存在ですね。

アサルト・ガールズ、クソ詰まらなかったですが。

日本人のルーツで引っ張る

さて、本題に戻って、中でもいいと思ったのが、日本人のルーツを探る、というコンピュータシュミレーションです。これが単に殺人事件のきっかけとなる小道具、ということに留まらず、読者を物語に引き込む仕掛けになっています。

物語は読者をその物語の中に引き込まなくてはいけません。そのために共感できる登場人物やら魅力的な状況やらを用意します。しかし、人物の描き方があざとく見えてしまったらとたんに冷めてしまいます。

蓬莱では、日本人のルーツを探索する、という大風呂敷を広げます。これは私たちの血の中にあって切り離せないものですから、きっと多くの人が気を留めるように思います。

例え登場人物に魅力を感じなかったり、ドラマにのめりこめなくても、これだけで引っ張れるポテンシャルです。(登場人物に魅力がなく、ドラマもできが悪い、というわけではけしてありませんよ!)

神様、サーセン

そこからさらに行って、脳ミソをかっさらっていくような凄さはなかったですが、サービス満点な佳作だと思います。みなさんもBook・OFFの100円コーナーで見かけたらぜひ手にとって見てください。

最後に、神様の神様に佳作だなんてサーセン。

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